ジョシュアエリス

Joshua Ellis

Joshua Ellis(ジョシュアエリス)は、1767年にイギリス北部のヨークシャーで創業された英国テキスタイルの歴史の中でも最も古い生地メーカーの一つです。現在は、生地の縮絨や起毛工程において優れた技術を用いて、ストールコレクションを展開しています。ジョシュアエリスのストールは、コートやジャケットなどの重厚な生地を作るかのようにしっかりとしたウエイトのカシミア生地を時間をかけて縮絨し、丁寧に起毛して仕上げられます。ストールとしての機能を損なわない、絶妙なバランスを追求して生まれるプロダクトからは、軽量で柔らかく、高級カシミア生地の風合いをしっかりと感じることができます。また、クラシックな英国柄や、アーカイブに残る柄をベースしながら、色の組み合わせや柄の大きさなどをモディファイすることで、美しい現代的なチェック柄を提案しています。

HISTORY

激動の時代

 創業当時はクロージャー(衣類商)であり洋服屋でしたが、産業革命の影響でテキスタイル製造業へと転換しました。数々のメーカーを合併していくことで18世紀後半にヨークシャーを代表する生地メーカーに成長しました。エリス家はこの事業転換期中で重要な役割を担いましたが、正式に現在のようにJoshua Ellisと呼ばれ始めたのは1830年代後半と言われています。

 ただし、当時は高品質なテキスタイルを製造しているわけではありませんでした。産業革命によってヨークシャー周辺地域のリーズは特に羊毛産業で栄えていました。また、ハダーズフィールドは梳毛のウール生地製造業が盛んでした。リーズとハダースフィールドの中央に位置するヨークシャー付近は、当時はいわゆる粗悪品地帯として知られていました。世界中のあらゆるリサイクル原料を集め、それを基本的に非常に安価な製品にして、軍服などを基本的に生産していた地域でした。そのような状況においてはジョシュアエリスも例外ではありませんでした。

 しかし、このようなビジネスは英国では長く続きませんでした。

ブランド確立

1800年代には、より高級生地を生産する事業へ移行していきました。南米産のビキューナやオーストラリアやニュージーランド産の高級メリノウールを扱うようになりました。クオリティの高いモノづくりを掲げて高級な原材料を用いた製造を行うことで、現在に至るまで、世界中から愛される生地を提供することができるようになりました。

 1980年代から90年代にかけて、イングランド北部のテキスタイル・ビジネスの多くが廃業に追い込まれ、多くのテキスタイルメーカーが、安価な商品を作るべく、生産コストが低い中国やヨーロッパの他の地域に生産拠点を持つようになりました。この時代にもジョシュアエリスは進化を求められました。ジョシュアエリスが取った選択は、イギリス国内で、これまで通り高品質なモノ作りをつづけることでした。長い歴史の中で培われた技術と知見を有し、高品質なテキスタイルとして認知されていたからこそ選ぶことができた道でした。そして現在でも成長と革新を追求し続けています。ジョシュアエリスは設備投資も常に欠かさず行ってきました。最新の織機を導入し生産能力を向上させる他、旧式の織機を買い取り失われつつある技術を保存し、現在、そして未来へつなぐ役割を果たしています。

情熱を胸に

昔から変わらないブランドの中核をなすのは情熱をもった人々です。従業員は総勢70名程度であり、決して多くはありません。ストールの製作には約23の工程があり、その中心となるのは仕上げ工程です。それぞれのストールには30〜40人が従事し、一つ一つ丁寧に作られています。経験豊富なバイヤー、才能豊かな職人、そして高い技術を持つデザイナー、全員が一丸となって、プロダクトを生み出しています。その品質と技術は、ファッション業界や上流階級に高く評価されており、パリやニューヨーク、ロンドンなどのラグジュアリーブランドへ生地を販売しています。

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